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盆栽感覚で楽しめるフランスゴム

今回は、盆栽感覚で楽しめる観葉植物「フランスゴム」のお話をさせてください。

数あるゴムの木の種類の中でも、フランスゴムは丸みのある可愛らしい濃い緑の葉と、幹がくねくねと曲がる独特の樹形からインテリア性が高いと人気のある品種です。



盆栽というと思いだすことがあります。20才代後半の頃、とある盆栽の見本市で盆栽師の方とお話しをしました。「きれいな盆栽ですね。歳をとったら、盆栽いじりをしてみたいですね。」と私が声をかけると、「それは違います。盆栽は技術を身につけて経験を積むには10年単位の年月がかかるので、あなたぐらいの年ごろからやるのがちょうどいいですよ。」と諭されました。

例えば、ひとつの枝をイメージ通りの姿に曲げようと手を施しても、その結果が出るのが1年後だったりします。その結果から学び、さらにいろんなことを試していると、10年くらいはあっという間に時間が経つのだそうです。



その時は、人と植物が長い時間をかけて向き合う盆栽文化の奥深さに感銘を受けたものですが、実際にやってみたいと思いながらも日々の忙しさにかまけて、これもあっという間に時間が過ぎてしまいました(笑)。


このフランスゴムの木は盆栽と似たような楽しさをもたらしてくれます。

幹がくねるように曲がる姿に味わいがありますが、盆栽と違って樹形をコントロールすることはできません。しかし多くの観葉植物がそうですが、フランスゴムの木は水や肥料をあげるのと同じくらい剪定という手入れが大切で、これを通じて“対話”することができるのです。


実際に少し枝を切ってあげると新しい芽が吹いたり、枝が思わぬ方向に伸び始めたりして、木が元気になっていきます。フランスゴムの木はもともと丈夫で発育もいいので、何か手を入れると、その度に短期間で木が応えてくれるので、まるで木と対話をしているような気分になります。このあたりが盆栽の楽しみと共通する部分ではないかと思います。



ゴムの木はクワ科のフィクス属(日本語ではイチジク属)に分類され、世界で800種類以上もあるそうです。以前このブログでご紹介したガジュマルもこのフィクス属で、その時にお話ししたように、フランスゴムの木も枝から地面に向かって伸びる「気根」と呼ばれる根が生えてきます。ちょっとヒゲのようにも見えて愛嬌さえ感じるのですが、この属ならではの生命力の象徴なのだと思います。



このようにフランスゴムの木は生命力が強いので、挿し木などで比較的簡単に増やすことができます。これも他の観葉植物にはあまりない特徴かも知れません。サイズの違う枝ぶりのフランスゴムの木の鉢をいくつもお部屋に並べてみるのも、なんだか家族がどんどん増えていくみたいで楽しいですね。


フランスゴムは空間にうるおいとアクセントをもたらしてくれますが、対話を重ねていくうちに愛着がわいてくるパートナーとして、永く一緒に暮らしていける木だと思います。


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