遊び心と実用性、2つの顔の企画展

最終更新: 1月23日

ぎゃらりいたねからでは「アートオブジェ展」を開催中です。タイトルに“笠間で活動する4名の陶芸作家”と添えたように、茨城県笠間市から届いた数々の素敵な作品をお披露目しています。 遊び心あるアートオブジェ作品と、実用性のある食器という両極端のジャンルを一度に見ることができる、この企画展の魅力を少しご紹介しましょう。


笠間焼といえば関東最古といわれる登り窯があるように、江戸時代の中頃から興った伝統ある生産地です。笠間地域の粘土は粒子が細かく粘りが強かったので丈夫な陶器が焼き上がるため、日常生活で使うオーソドックスな食器などが多くつくられました。

このような伝統がある反面、自由な作風を受け容れる懐の深さが笠間にあったことから、全国の若い陶芸家たちが集まったとも言われています。


この「アートオブジェ展」はそうした笠間焼ならでは特長や魅力を、遊び心と実用性という形で体現できているかもしれません。さっそく、洗練された遊び心豊かなアートオブジェを中心にご紹介していきましょう。


松田路子先生の作品は、昨年夏に開催した「SMALL WORKS EXHIBITION 絵画・彫刻・工芸 小作品展」でもご紹介しました。1980年代後半から笠間を拠点に活動を続けていらっしゃいます。


今回出品いただいた雨雲がモチーフの作品は、ふわっとした可愛い雲から雨に見立てたまっすぐに行儀よく並ぶステンレス鋼線が水をたたえた大地につながっています。全体のユーモラスなニュアンスと、陶器と金属の質感のコントラストが楽しめます。また、雨が大地に降り注いでいるように見えますが、雲が大地から水を吸い上げているようにも感じます。


シンプルな情景ですが、見る人によって、いろんなイメージがわいてくるでしょう。


森田栄一先生はドイツの陶芸家の下でも研修されたことがあり、何度かヨーロッパでも個展を開催されています。作品のモチーフも外国の童話の絵本に出てきそうな人物や小さな生き物にも見え、その顔や身体全体の表情から、ある種のストーリー性を感じます。


こうして並べると、まるで楽しいフロートが続々と登場するパレードのようです。


藤本均定成先生は陶芸だけでなく石の彫刻も手掛けられます。日本のインダストリアルデザインに大きな功績を残された柳宗理先生がデザインされ、藤本先生が制作された石彫作品はたくさんの美術館で見ることができます。


陶芸では釉薬をかけず高温で焼いて黒く焼締める作風が先生の特長で、その作風のまま、ユーモラスなフクロウの時計を出品いただきました。4種類の色と質感の組み合わせで、恐らく先生独自の技術や手法から生み出されているのだと想像しますが、そんなことを考える余裕がなくなるくらい、とぼけた表情に心を奪われる愛らしい作品です。


「アートオブジェ展」はGallery Aだけで開催していますが、中央の大きな丸テーブルには先生たちの実用性のある作品をところせましと並べています。こちらのほうも、どんなお料理を盛りつけようか・・・などと、眺めていると使う楽しみが頭の中に浮かんできます。


「アートオブジェ展」は2月1日(土)まで開催しています。ぜひ一度、ご覧くださいますようご案内いたします。


開催時間、休廊日などの情報はこちらのページの「アートオブジェ展」の項をご覧ください。

https://www.gallery-tanekara.jp/2019-exhibition-1

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