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SMALL WORKS EXHIBITION ~ 喚鐘

ぎゃらりい たねからでは6月18日(火)から8月2日(金)まで、SMALL WORKS EXHIBITION 絵画・彫刻・工芸 小作品展を開催しています。

小作品を中心とした展示は、1月に開催した第一回自然と抽象展“表現者の集い”でもサブテーマとしてありましたが、今回はメインテーマに置いてみました。その意図と、展示作品の概要、その中の「喚鐘(かんしょう)」という作品をご紹介しましょう。


小品は観る側にとってはさまざまな楽しみがあるのですが、作家の立場からすると簡単な作業ではないようです。自分の表現したいものや持ち味を小さなサイズにまとめるのは難しいそうで、相応の試行錯誤があるようです。


ただ彫刻などは大きな作品を作る前にエスキス(下絵や粗造り)として小さなサイズの作品を制作するのはよくあることで、この段階では実験的な試みを行うこともあります。そうした傾向は彫刻以外の絵画や版画、工芸などでも見られ、作家が何をチャレンジされようとしているのかを観るのも小品の楽しみのひとつだと思います。もちろん、作品を手に入れたいと思ったときに値段が手ごろというのも小品の魅力ですが。


今回は16名の作家さんに出品いただきました。どれも小品ならではの魅力にあふれたものばかりです。今回はあえて中の広いギャラリーは使わず、通りに面したギャラリーAのほうで開催しています。大きなガラス戸からさし込む陽の光の中で、インテリアの一部のように室内の景色になじんだ小品たちを身近に感じながらご覧いただけます。


出品いただいた作家さんの内、5名の方がぎゃらりいたねからでは初登場となります。いずれも確かな実力をお持ちの方ばかりですが、その中のひとりである中村明二先生から出品いただいた「喚鐘(かんしょう)」という作品を紹介しましょう。まずはこちらの動画をご覧ください。


喚鐘とは、大みそかに除夜の鐘としてつかれる梵鐘を小型にしたものです。お寺では勤行や法会などの開始を知らせる合図として鳴らされ、つき方も七五三など宗派などにより違いがあるそうです。またお茶席でも、招いた客人に用意ができましたよと知らせるためにつくこともあるそうです。


中村先生は彫刻家として鋳造の専門技術をお持ちで、この喚鐘は青銅(ブロンズ)と錫(すず)が調合されています。ふたつの金属の微妙なバランスのおかげで、撞木で喚鐘を打つと音色も高からず、低からず、実に心地よい波動が広がります。


本来は吊るして使うものですが、作品は特別に作成した台に据えて、一般の家庭でも飾りやすい形にしています。この喚鐘を飾るだけでなくリビングに置いて、時には打ってみませんか? 忙しかった週の休日の朝にこの音色を聞けば、気持ちが静まり心のざわつきがリセットされるかもしれません。


SMALL WORKS EXHIBITION 絵画・彫刻・工芸 小作品展は約7週間と会期も長めです。会期中に展示品の入れ替えも予定していますので、1度と言わず、何度でもお越しいただいても新しい発見があるのではないでしょうか。

皆さまのお運びを心よりお待ちしています。

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