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寺尾直之インタビュー

 

心のありかたとは?が出発点

過去のものはすべて置き去って、一からリスタートするようなものにしたいと意気込みを語る寺尾直之氏にうかがいました。

約10年ぶりの個展ということですが、リスタートのきっかけは何ですか?

今回の一連の作品は、中近東であるジャーナリストが捕らえられて、そのまま殺されてしまった事件からインスピレーションを受けています。同じ人間なのに、なぜこんなにひどいことが起こるのかと当時は思いました。でもSNSでの中傷誹謗などを見ていると、人は憎しみの感情がわくとすぐに他人を傷つけてしまいがちです。これは中近東という異文化の地だけでなく、日常的にどの国でも起こりうることだなと思います。

個展のタイトルが「心魂~kokorodama~」。そして「心の棘を解放する」という刺激的なフレーズもそこにつながっていますか?

 

はい、そうですね。そうした誰もが持ちうる憎しみの感情、つまり心の棘をそのままにして生きていいのか?もっと違う、心の在り様があるのでは?・・・そんな想いを心魂という存在感のある造形に込めました。

実はこの心魂は事件のニュースを知った瞬間から、すぐに頭に浮かんでいたイメージがあったのですが、それが時間をかけてカタチになったというわけです。

その大切なリスタートの個展の場にぎゃらりいたねからを選んでいただいた理由はなんですか?

 

ぎゃらりいたねからはガラス張りのファサードで、外からもよく見えるので開放的ですよね。アートに興味がなくても、何か面白いことをやってるな・・・ってことでぶらりと入ってくる人がいるかも知れません。そんなところが気に入りました。

私は公共施設やレストランなど集客施設の空間デザインも手がけていますが、そうした場所にアートを置いて、アートを観るために来たわけではない人が反応することが重要だと考えています。

今回はどんな“反応”を期待していますか?

 

すべての作品は私からの「問いかけ」になっているのですが、何か正解があるわけではありません。ご覧になる方の感性にゆだねて、どんな“反応”でも受け容れたいですね。

自分としては、誰も見たことのないものを作りたいという想いで創作していますが、むしろ予想もしていなかった反応をいただいて、さらに斬新なものを生み出すエネルギーにさせていただきたいと思っています。

 

なるほど。ぜひ、多くの方に“反応”していただきたいですね。お話をありがとうございました。

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